2012年6月24日日曜日

大学③私立大学の偏差値の移り変わり(1975年~1990年)

今回は、どんな感じで私立大学の難易度が上昇していったかというのを、
首都圏の私立大学(MARCH)と同志社大学の文系学部をピックアップして、1975年、1980年、1985年、1990年で難易度がグングン上昇していく様子を表にしてみました。
(データ作成の際の参考資料:日本の大学 河合塾・東洋経済共同編集 1993年)
どの世代の入試かというと下記の世代になります。多分・・・
1975年度入試→今年55歳(1957年生まれ)
1980年度入試→今年50歳(1962年生まれ)
1985年度入試→今年45歳(1967年生まれ)
1990年度入試→今年40歳(1972年生まれ)

それではデータです。


※参考まで
日本の北、中部、南にある国立大学(東北大、静岡大、熊本大)をピックアップして、同様に偏差値の推移のデータを紹介します。


こういうような状況になったのは、18歳人口の増加、大学進学希望者数と大学合格率との関係や経済情勢の変化や試験の形態の変化(1975年はまだ国立は一期校・二期校の時代、そして1979年から共通一次がスタート、1990年からは大学入試センター試験がスタート等)やいろいろな要因が複合的に絡み合ってなったと思います。特に社会科学系の学部の上昇が顕著です。
この時期の偏差値の上昇は、私立大学に顕著に見られた傾向で、国立大学にはあまりこの傾向が見られないことがわかります。

この上昇していく時期に、偏差値の上昇という動きに歩みを合わせる形で、首都圏の私立大学は上位大学だけでなく、中下位大学も含め、「偏差値をいう単一の指標(国立大と私立大は同列で比較できないのに)や東京一極集中でマスコミ等が東京はすごい的なバイアスのかかった情報発信のされ方」等で、どんどん評価を高めて(良いと思われて)いきます。ただ、私の主観的な感想では、実態よりも高く評価されすぎなのではないかと思っていますが。
但し、誤解なきように付け加えて言いますと、偏差値が上昇していく中で、間違いなく以前よりも私立大学に合格するのは難しくなってきたことは紛れもない事実です。
ただ、国公立大と私立大を偏差値という指標だけ単純比較することはできないということは理解しておかなければいけません。要は同列で比較すること自体がナンセンスということです。それは国公立大と私立大は受験科目も違いますし、受験形態等もちがいます。
※私立大学が偏差値が上がる要素をいくつかあげると、まずは、私立大は科目数も少なくしかも私立文系一本の生徒が科目を絞って勉強し複数学部受験するということ、また早慶等の上位私立大であれば旧帝大などの難関国公立大の受験生が併願で受験するということ、こういった要素があるので、偏差値自体は実態よりも上昇してしまうのです。
 そういった事実があるにも関わらず、偏差値という単一的なモノサシで十杷一絡めで単純に値が大きい小さいだけで評価されてしまっている気もしますので、それはちょっと・・・という感じです。(良し悪しの評価をするならばもっと慎重に)
例えば、明治大学法学部(1990年の偏差値62.5)と東北大学法学部(1990年の偏差値57.5)を両方合格したら、間違いなく東北大学を選ぶと思います。少なくとも、私の周りは確実に東北大学を選択するでしょう。でも単純に偏差値だけで見ると、あたかも明治の方が上に見えてしまう・・・

「国立―私立の併願して両方合格した場合、どの大学を選択したか」というデータが家のどこかに眠っているのですが、そのデータがあればこの話については、もっと面白い情報を提示できるかと思います。それはデータが発見され次第アップします。

0 件のコメント:

コメントを投稿