2012年8月5日日曜日

受験する大学の選び方

受験する大学を選ぶっていうのはいろいろ悩みますよね~。
大学の選び方として、私がいつも思うことは偏差値だけで大学を判断しないで、様々な角度から大学を見て検討していってほしいと思っています。

1979年の共通一次試験の導入後、偏差値による大学の序列化が進み、偏差値という画一的な基準で大学選びをすることが加速しました。そして、それと同時に、今まではあったそれぞれの大学が持つ独自性や強み、良さをいうものも薄れてきた気がします。
偏差値というものは、自分の相対的な位置を把握するものであり、自分の現時点での実力を客観的に把握するためのツールとしては非常に重要です。そして偏差値を見て、自分の合格可能性を客観的に判断し、受験先の大学を決めるという点ではよいと思います。
偏差値を合格可能性の知るための1つのツールとして使うのであればよいのですが、偏差値が高い・低いというそれだけをみて、それを大学の価値に置き換えて、大学選びをするということは少し安易ではないかと思っています。
それはなぜか、と言えば、偏差値という数字だけでは見えないそれぞれの大学の特徴があるからです。
従って偏差値だけで大学を選ぶのではなく(偏差値を意識することは当然ですが)、それだけではない、それぞれの大学の真の姿をいろいろな角度から見てみた上で、自分に一番あった・自分の将来を考えた時に一番最適な大学を選ぶということが大事だと思います。(どうしても高校生のうちは、偏差値で12ポイント高い低いとかそれだけで大学の優劣を決めてしまいがちですが、社会に出てからは、その程度の違いなんて全然関係ないですからね。)

最近は大学受験のガイド的なものとして
『大学ランキング2013年度版』(朝日新聞出版)、
『大学図鑑!2013』(ダイヤモンド社 監修:オバタカズユキ)、
『最辛大学ガイド2013』(中央公論新社 著:石渡嶺司+山内太地)
など多く出ています。様々な切り口で大学を見ることができるので非常に参考になると思います。少なくともこの3冊は見る価値はあると思います。(『最辛大学ガイド2013』は昨日初めて本屋で見たのですが、想像以上に的確なことを書いてあったので思わず買ってしまいました。)
他にも、建学の精神で知る「大学の力 2013」(朝日新聞出版)っていう建学の精神を軸にして大学の紹介をしている本も出ているんですよね~。面白い!
以前は『日本の大学』(河合塾 東洋経済 共同編集)という本がありましたが、もう10年くらい出版されていないような・・・。この『日本の大学』という本は、私にとってはそれぞれの大学の特色を掴むために最適な本でしたが、最近は出版されていないので本当に残念ですね。読んでもらうとわかりますが、様々な視点から大学を見ていますし、とにかく素晴らしい内容です。完璧な内容です!!!          


『別冊宝島322号 学問の鉄人 大学教授ランキング文系編』(1997年 宝島社 編著:河合塾)という本もありました。本邦初!全国の教授・助教授へのアンケートによって選ばれた学者と大学を大公開!とのことで、どこの大学でどんな学者がどんな研究をしているのか、だれが重鎮で、どう評価されているのか等がわかりました。私がどの大学院を受験しようかと考えていた時やどの専門書を読もうかと思った時とか非常に参考にしました。いい本でした。

他にも、河合塾等の予備校の情報誌、Kei-Net(河合塾が提供する大学情報サイト)に代表されるような予備校等の教育情報サイトでも大学受験情報は見ることができます。
あとは、
JS日本の学校(日本一の学校情報)、
リセマム (ResearchするMomとつくる保護者&教育関係者向けサイト)、
ベネッセ教育情報サイト、Inter-edu.(保護者のための受験と教育の総合サイト)などもあります。
大学通信のものでは他にも携帯電話キャリアの公式サイトにもなっている「教育進学総合研究所」というタイトルのサイトがあり、今どきの中学・高校・大学受験を解説しています。私も登録してたまに見ていますが、「ここでしか見られない?オリジナルランキングを公開」とかいって、就職率ランキングや、はたまた50年前の京大高校別合格者ランキングなど様々なランキングも公開しています。いろいろな用途に活用できると思います。月額315円かかりますが、私は結構気に入っています。
学校探すならここ!(全国の小学校から大学のホームページURLを紹介)→こういったサイトがあると、簡単に全国の学校をアクセスできるから便利ですね。

こんな感じでいろいろな情報を集めて、偏差値だけでなく、いろいろな角度から見ていくことは大切ですよ!

周りに薬学部を受験したいっていう子どもを持つ親がいるので、勝手に薬学部を受験するとしたら、どんな角度から考えるのっていうのをちょっとやってみようかなって思っています。
例えば、薬学部を受験するとしたら
・まずはその生徒のレベル(例えば河合塾の全統模試で偏差値どれくらいかとか)、得意な科目、苦手な科目がどれくらいのレベルか
・将来の方向性(例えば企業に入って研究したいのか、薬剤師になりたいのでとか)
・そして目指す大学をいくつか決めていく。大学を選んでいく際に見ていくこととしては→4年制か6年制か、大学の難易度・受験科目・受験方式、それぞれの大学にある学科や定員数、大学の沿革、環境面(例えば、医学部を持っている大学かどうか、要は系列病院を持っているかどうか)、国家試験の合格率(国立はどちらかといえば研究の色が強く、私立はどちらかといえば、国家試験の合格を目指すことが多いので一概に合格率だけでは良し悪しがわかりません)、大学での教育内容(研究に力を入れているのか資格取得に力を入れているのか、勉学志向はどうか、教授はどんな教授がいるのか、大学院進学率はどうかなど)、立地や設備や交流大学などの生活に関わる面はどうか、先輩はどんな会社等に就職しているのか、就職率はどうか、就職した先でどんな仕事をしているのか(今はどうかわかりませんが、私達の時代だと、旧帝大、金沢大、静岡県大くらいのレベルの薬学部の大学院を出ていないと、大手企業の研究所には入れないという話も聞いたことがあります・・)、著名なOBはどんな人がいるのか、どういった高校から入学してきているのか、在校生・卒業生の評価は、高校からの評価はどうかなどなど。
さらに近年では、大学の乱立や少子化の影響で経営難の大学も増えているようで、財務状況(帰属収支差額比率、人件費比率、教育研究費比率、流動比率、内部留保比率等)とかまで見て大学を選ばなければいけない時代とも言われています・・・。
あと学費ですね、私立大学の薬学部は私立大学の医学部・歯学部に次いで学費が高く、初年度学生納付金平均額は200万を超えていますから・・
薬学部だと「薬学部へ行こう!」っていうサイトもできているんですね。

そして、目指す大学に向けて、計画を立てて、突き進んでいく、勉強をしていく・・・こんな感じですかね。

さてさて、
素人ながら、いろいろ調べてみると、昔の感覚で進路アドバイスなんてできないくらい複雑になっています・・・。なんでこんなに複雑にしてしまったんでしょう・・って感じです。


最後にKei-Net(河合塾が提供する大学情報サイト)の「これが最新!大学入試動向」の中にこんなことが書いてありましたので、抜粋して紹介します。特に赤字にしてある部分は本当に大切な姿勢だと思います。
以下抜粋
『(中略)学部系統の人気にも不況の影響が見られます。近年人気なのは、理系と資格に直結する学部です。不況の影響から大卒の就職も厳しく、卒業後に就職が見込めそうな看護などの医療系や教育といった分野で、とくに志願者増加が目立ちます。このように社会情勢は大学入試の傾向にも色濃くあらわれているのです。
 大学・学部の人気や難易度は年々変化しています。保護者の方が受験した頃の印象でお話をされると、お子様と会話がかみ合わないことがあるかもしれません。そういったときは、ご自分の持つイメージをお子様に押しつけてしまうのではなく、世代間のギャップを冷静に受け止める姿勢が必要です。』とのこと。

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